Room No.0012014.03.06
光が入る大きな窓、北欧のような部屋
角田真祐子さん&長谷川哲士さん
Mayuko Tsunoda & Satoshi Hasegawa
長谷川邸
学芸大の駅から徒歩で10分以内、閑静な住宅街の中にあるマンションの部屋を訪ねました。室内のインテリアはまるで北欧を旅してきた旅行かばんのよう。カラフルで賑やかなのに全体はシンプルにまとまっています。この部屋に暮らすデザイナーのお二人に、暮らしかたのヒントを伺いました。
―「R-STORE」で物件を探そうと思われたきっかけはなんですか?
いろいろ他でも探していましたが、なかなか気に入ったものに出会えなかったんです。知人に紹介されて覗いてみたサイトが「R-STORE」でした。いくつか見た物件の中で、最後に決めたのが、ここで紹介されていたものだったんです。
―お部屋を探すときに、ポイントにしていた部分はどんなところですか?
キーワードで探すというよりは、写真(画像)を見て探していました。 海外では、家具などで上手に区切ったりして、ひとつの広い空間を上手に使って暮らしているのを見かけたりしますよね。いつも過ごす空間が広い方がいいなと思って、広めのワンルームをイメージして探していました。二人で過ごすので、小さな空間がいくつも必要なわけではないんです。それから、日中はできれば自然光だけでも過ごしたいと思っていたので、大きな窓から光が入るのが気に入りました。実際いまは、お休みの日の日中は照明をつけずに過ごしています。
—立地の条件などは考えましたか?
いろいろな物件を見て行く過程で基準ができて、表記されている距離を見て「徒歩9分以内」だと私たちにとっては近くて歩けるなと、わかってきたのでそれを念頭に置きながら探しました。ここだと駅から7分くらいかな。
―一番の決め手になった部分はどんなところですか?
明るさです。当初、空いていたのが下の階の部屋だったのですが、壁はモルタル打放しで、全面グレー。 この部屋に比べると暗かったんです。それが偶然「たまたま空いたので」とついでにこの部屋も見せてもらったら、夜だったにも関わらず明るかったんです。きっと、壁が白かったのも関係ありますね。
―中央にあるグリット状の造作家具はどんな風につかっていますか?
「棚」として便利に活用しているというより、全体の空間においてベッドルームとリビングをさりげなく仕切る役割を果たしてくれています。壁がなくて上部が空いているので開放感があっていいですよね。実はベッドの下まで収納になっているんです。この規模の物件にしては、大容量の収納だと思います。また部屋の中に段差があることで視野のメリハリにもなっています。上から見渡す眺めもいいですよ。なるべく棚の上には物は置かずに広々とさせています。あるとしても一時的に洗濯物がとりこまれ、たたまれた後、収まるまでの間くらいかな。
―インテリアの選び方で工夫した点を教えてください。
これまで一緒に住んでいた部屋から持ってきたものもありますが、多くのものはこの部屋を借りる時に購入しました。以前の部屋では広さにも制限があったので、今回はソファや絨毯などサイズも合わせて揃えました。 絨毯はTricotéという日本のブランドのもの。たまたま発注のタイミングが重なってオーダーメイドに近いこのサイズを手に入れることができました。ティッシュペーパーの買い置きや、掃除機のノズルなど、すぐに使うけれども常に出しておきたくないものは、インテリアの一部である可愛い箱に収納しています。一見気がつかない場所に生活必需品が隠れているんです。隠れているといえば、植物の中に本物と造りものの植物が混ざっているんですが、気がつきましたか?(笑)
—インテリア小物はどちらがセレクトするのですか?
旅先や、日々の暮らしの中で二人で見つけたものがほとんどです。ぬくもりがあるもの、さりげないアートピース、自分たちで作ったもの、そこにIKEAの雑貨も分け隔てなく並んでいます。季節によってレイアウト替えをするんですよ、先日まではここに鏡餅がありました(取材は1月に行いました)。
—キッチンについて気に入っている点はどこですか。
キッチンのガス口は3口あります。充実していると思います。手元に明かりが入る窓があることで、明るいだけでなく換気扇に頼らず窓を開け放して料理ができるって、気持いいなと思っています。ほかにも収納が沢山ある点、シンクが広い点も気に入っていますね。二人で並んで料理することが多いので、作る人と、片付ける人。それぞれが動いてもストレスなく、連携をとって料理をすることができます。IHコンロではなくてガスコンロの方がいいなと思っていた点もありますね。火力を強くできるので炒め物もおいしくできます。
—オンとオフの作り方
仕事場は徒歩圏内にあります。デザインの仕事をしているので、夜遅いこともあり、自宅と仕事場の距離を考えてこの近さにしました。通勤に取られてしまう時間を考えると勿体なくて。ルールというわけではないのですが、オンとオフを切り替える意味で、自宅にネット環境は作っていません。当然、頭の中を静かにする時間になり、リラックスできるんです。料理したり本を読んだり、切り替えると不便だとは感じないですよ。メリハリができて思いきりプライベートな時間と割り切る事ができます。
—好きな時間、好きな場所はどこですか?
午前中ですね。日当りはいいし、ゆっくりできます。ソファにいる時間が多くて、だから好きなものをソファのまわりに集めて、すぐ届くようにしてあります。いつでも眺めて過ごせるように。
暮らし全体を楽しんでいる角田さんと長谷川さんは、お互いに顔を見合わせながら「これはいつの時に手に入れたんだったっけ?」と確認しながら部屋を紹介してくださいました。きっとこの先も、二人で相談しながら旅へ出たり、友人を招いたり、そのたびにどんどん変化していく部屋を楽しんでいかれるんだろうな、とお話を伺いながら想像しました。部屋はそこに住まう人の生き方そのものなんだと、取材記念すべき第1回にあたたかい気持でお宅を後にしました。(文:stillwater 玉置純子/写真:松園多聞)