暮らしのヒントがきっと見つかる、R-STOREが紹介するおしゃれな賃貸住宅ライフ、インタビューウェブマガジン

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Room No.0062014.06.17

子どもと自然、素直に暮らす部屋

野村さんfamily

Nomura Family

緑が溢れる小金井公園のすぐ近く、静かな住宅街のなか、オアシスのような空間で暮らす家族に出会いました。心とからだが素直になる部屋、そんな印象の野村さんの住まいは、丁寧に暮らす日々の様子が随所にみられます。子育て真っ最中の野村さんは、お子さんの呼吸にあわせながら、本当に伸びやかに、楽しく暮らしていました。

はいはいが上手になってきた息子さんと、1日一緒に過ごす部屋は、広々としている。

はいはいが上手になってきた息子さんと、1日一緒に過ごす部屋は、広々としている。

 ―ずっと、こちらにお住まいですか?

以前は杉並区の西荻窪に住んでいたのですが、妊娠中に旦那さんとこのあたりを散歩していたら、小金井公園を知って、惚れ込んでしまったんです。この公園の近くで子育てしたいな、と思って引っ越しを決めました。

  ―もともとR-STOREはご存知でしたか?

物件を探していた頃から知っていました。気になる地域を指定して探していましたので、とても便利でした。それから、私自身がものづくりをしているので、なんとなく「自分たちらしい、既成のものではない何か」という視点で探してはいました。

息子さんのすぐ手の届くところにも、物が置いてある。

息子さんのすぐ手の届くところにも、物が置いてある。

―ご自分たちらしさ、は何だと思いますか?

そうだなぁ、日当りの良さだったり、子どもがいると毎日必ず(時には日に何度も)入るお風呂の気持ち良さや、機能的な充実も大切ですね。それから、私たちの生活のベースになる考え方が自然療法や、自然育児に根ざしているので、そういう視点も家探しの時には意識しました。“おしゃれ”や“はやり”だからということではなくて、心にもからだにも本当に必要なので自然とロハスな生活をしているんです。プラスチックのものではなくて、土に帰るようなものに囲まれていたいという感覚かな。市販のもの(住宅)の中にはなかなかないんです。ここには、コンクリートと、木とガラスと、素材そのものが集まっていて、マンションの一角なんだけど、オアシスみたいでしょう。

家具はシンプルにソファだけ。

家具はシンプルにソファだけ。

―具体的にはどんなところが気に入ったのですか?

素材感も勿論なんですが、全体のデザインのシンプルさも気に入りました。子どもと一緒に暮らしているとあちこちに置かれた家具にぶつかったり、動きづらかったりするんです。この部屋は、家具はほとんどが作り付けで、新たな家具が必要なかったんです。チェストもテーブルもすべて処分してシンプルなソファだけを置きました。収納が考えられている棚は、子どものものが置いてあってもちゃんと大人の空間にもなっていて、絶妙なバランスです。

本棚には大人の本と子どもの本が混在している。

本棚には大人の本と子どもの本が混在している。

 

息子さんの着替えなど、すぐ取り出したいものは、こちらに収納されている。

息子さんの着替えなど、すぐ取り出したいものは、こちらに収納されている。

―子どもと一緒に暮らすことで気にかけていることはありますか?

大人の都合で子育てしまうと「危ないわよ」「触っちゃだめよ」が増えていくんですね。子どもがのびのびできる空間を最初から用意してあげられれば、そう口うるさく言わなくても楽しく暮らしていけるんです。広々していると、掃除もしやすいので衛生的にも安心です。子どもは言ってもわからないから。いたずらも、好奇心ですし、触って欲しいところはむしろ沢山触ってもらえるように木を沢山使ってあげて、お部屋のなかで退屈になったら自然に触れよう!ってレジャーシートとお茶の入ったポットを持って、近くの公園にいっちゃいます。

手に触れるところは心地良い、木。シンプルながらもヘリンボーン柄に貼ってあるなど、デザインが施されている。

手に触れるところは心地良い、木。シンプルながらもヘリンボーン柄に貼ってあるなど、デザインが施されている。

―内見に来たとき、家具はすべて設置されていたのですか?

大家さんの奥さまがデザインの仕事をなさっていて、空間を作られたそうです。リフォームしたとたんに、旦那さまが転勤になってしまったそうで丁寧に大事に使ってくれる人を、時間をかけて探していたようです。お子さんもいらっしゃった方だったので、さまざまな心配りされているなと感じます。

 ―お子さんに配慮がされているな、と思われる部分はどんなところでしょう?

部屋のなかに段差がないんです。引き戸もないから、手を挟んだりする心配もない。空間が大きくひとつに繋がっているイメージです。それから、お風呂! 最初からこの内装だったんですけど、とっても可愛いでしょう。子育てしているとお風呂の時間がなかなか大変ですけど、こういう空間だとお風呂の時間が楽しいんですよ。子どももお風呂は大好きです。日本のお風呂は湿気もあるし、裏側がどうなっているんだろう、と衛生的にも気になりますが、浴槽の下などすみずみまで磨けるし、気持ちいいんです。これまではシャワーばかりだったけれど、ゆっくりお風呂につかることが増えましたね。

スペイン製のバスタブ。バスルームはガラス張りで、廊下とキッチンが眺められる。

スペイン製のバスタブ。バスルームはガラス張りで、廊下とキッチンが眺められる。

―キッチンもオリジナリティ溢れる、雰囲気のある空間ですね。

鉄製のカバーの取り外しが簡単にできるこのガス台は、掃除もしやすくて使い勝手がいいんです。目に入るところにタイルがあったり、料理をする人のことを考えて作られていて、きっと奥さまはお料理が好きな方だったんじゃないかな、私はまだまだ使いこなせていないけれど、愛があるなぁと使いながら思います。どうやって整理してもごちゃごちゃしてくるけど、毎食、離乳食しているし、どうしてもね。駅まで距離があるので、ほとんど宅配で食材を手に入れます。安全でおいしいものを届けてもらっています。

一枚の無垢材を贅沢に使ったキッチンカウンター。

一枚の無垢材を贅沢に使ったキッチンカウンター。

山吹色のタイルはトルコから運んで来られたものだとか。日々、料理をする人の台所。

山吹色のタイルはトルコから運んで来られたものだとか。日々、料理をする人の台所。

―野村さんにとって家ってどんな存在ですか?

家族の一員、かな。家族のいるところ、っていうより一員なんだと思うんです。家もいきものだから、呼吸しているんですよね、人の呼吸とおんなじだと思います。手入れされていたり、愛されている家っていきいきしていますよね、植物がいきいきしているとか、気がすみずみまで行き届いていることとか。そう考えると、家も私たちとおんなじで、愛情によって優しくなる。

口に入れるもの、手に触れるものは、質感のある手作りのもの。食器や調理道具もすべて丁寧に選ばれている。

口に入れるもの、手に触れるものは、質感のある手作りのもの。食器や調理道具もすべて丁寧に選ばれている。

―やはり自然が大切ということですね。

お気に入りの公園も、家の中の植物も、極力自然に近く暮らしたいと思っています。私の出身が北海道だからかもしれません。人間より先にあったんですもん、地球の方が。北海道の釧路湿原にある鶴居村という場所に育ったんです。文明の道具みたいなものに無縁の場所で、日が沈んだら暗くして早く寝る(笑)。それが当たり前のリズムだと思っています。だから(俳優でいらっしゃる旦那さまの)作品や記録は観ますけれど、うちにはテレビがないの。

寝室の扉の色がカラフル、ガラス張りで気配が伝わってくる(左)。玄関から続く廊下もヘリンボーン柄にタイルが貼られている(右)。

寝室の扉の色がカラフル、ガラス張りで気配が伝わってくる(左)。玄関から続く廊下もヘリンボーン柄にタイルが貼られている(右)。

 極力、電化製品、プラスチックのものは、求めない。

極力、電化製品、プラスチックのものは、求めない。

―これまでもずっとこだわりを持って生活なさってきたのですね。

やはり出産したことは人生のなかでも、とても大きな事でしたね。子どもを産むって、想像を絶する感動です。私も働いていたし、産休をしているから思うんだけれど、仕事って志があればずっと続けていくことができる事だと思うんです。命と向き合うことって、理屈じゃなくて今そこに在ることで、私自身の生き方とか、仕事どうしようかな、とかそういうもやもやも含めて育児なんだなと思うんです。お薬飲まないと決めたり、病院にいかない育てかたも、痛みは痛い理由がある、痒いものは痒い理由があるから、そのサインをちゃんと見つめてあげる必要があるなと考えたからやっています。大人にとっても葛藤やイライラは、からだが発信しているメッセージなんだと思います。それに気がつけて、どうやって対峙していくか自分が選びとれる、そんな風になるために、いつもいろいろ考えています。植物を置いているのもそのためだと思います。そういうことがテーマですね、この家。

息子さんとの時間を、いまは最大限に楽しみたいとお話してくれた奥さま。

息子さんとの時間を、いまは最大限に楽しみたいとお話してくれた奥さま。

野村さんの自然な笑顔、お話される一言一言のなかには、地球や自然に対する感謝が溢れていて、そこに暮らしている私たちが、いかに謙虚な気持ちで、日々をおくることが大切なことかと考えさせられてしまいます。何よりも、ルールやこうしなきゃだめ、といった規制に縛られるのではなく、楽しく朗らかにいられる自然な姿って、こんな感じなんですよ!と覗かせていただいけた貴重な機会になりました。シンプルな空間と生活だからこそ研ぎすまされる感覚、大切にしたいです。(文:stillwater 玉置純子/写真:松園多聞)

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