暮らしのヒントがきっと見つかる、R-STOREが紹介するおしゃれな賃貸住宅ライフ、インタビューウェブマガジン

3S7A1329

Room No.0092014.09.08

窓の先に空が広がる部屋

遠藤正樹さん

Mr.Masaki Endo

世田谷区、松陰神社前。世田谷線はどことなくゆったりとした空気を連れてくる。駅からほど近い今回のお部屋は、駅前ということを思わず忘れてしまうほどのエスケープ空間。変わった間取りを、工夫とアイディアで使いこなす遠藤さんは自宅で仕事をするフリーのプロデューサー。発想の源は広く空に開かれた窓にありました。

窓が全面に解放されていて、ウッドデッキに簡単に出られるようになっている。

窓が全面に解放されていて、ウッドデッキに簡単に出られるようになっている。

—このお部屋にはどのくらい住んでいらっしゃるんですか。

もう越してきて1年くらい経ちますね。

 —R-STOREはご存知でしたか?

はい、いろいろ検索をする中で出会いました。僕はR-STOREのFacebookページをみていました。幾つかの物件を見ましたが、この部屋のみ実際に内見しました。というのも、この部屋が出てきて、ピンと来てすぐに電話、次の日に内見訪問、即決定、その後1ヶ月内に引っ越しという流れるような早さで決めたのです。

—それ以前はどちらににお住まいだったのですか?

もともと代沢(東京都世田谷区)に住んでいたのですが、この家は2回更新、5年ほど住みました。もう少し広い所に移りたくなり、周辺を探し始めたんです。世田谷区の三軒茶屋には友だちがたくさん住んでいた事もあってその周辺で引っ越したくてエリアを定めました。

多肉植物は、ここ最近のコレクション。個性があるものばかり。

多肉植物は、ここ最近のコレクション。個性があるものばかり。

—どんなキーワードで検索をしたのですか?

風通しと、広さですね。風が抜けるような部屋に住みたいなと思って。それ以外にも、フローリングの質感や風合いは大切だと思います。木は好きで、インテリアの中にももちろん、家具にもさまざまな木を用いたものを愛用していて、ご覧の通り木に囲まれています。インテリアの要素となる素材としては、木の他には白とグレー、ガラス、緑、という感じで、あんまり色を多様しないようにしています。

  —この家のために買った家具はありますか?

たくさんありますよ、棚、デスク周り、机、椅子などですね。空に向かった書斎スペースのデスクは、この場所に合わせてサイズを決めオーダーしました。全面の窓の先に広がる空を、遮るものがないから気持ちいいんです。4階なのに4階以上の高層の開けたビューが望めるんですよね。もともとカーテンレールだけがついていたのですが、床に布がたまる感じがあんまり美しくないなと思い、さらに窓が直線的な感じがしたので、清潔感もあるこの縦のブラインドを選びました。窓をどうするかはいちばん悩みましたね。開けた時の景色も楽しみたいし、閉めてもしっくりくるデザインのものを取り入れたかったんです。自分で選びに行き、この樹脂の半透明のブラインドに決めました。色は白なんですが、まとまるとブルーグレーに見えます。

ブラインドを開けていると、景色が開けて清々しい空間に。

ブラインドを開けていると、景色が開けて清々しい空間に。

—ブラインドはご自分で注文なさったのですか?

はい、注文しました。間に違う色を入れたりなど、一通り組み合わせの可能性を考えてみたのですが結果的にシンプルに一色にしました。空間に優しい光が回るようになりました。直射日光はさしませんが、徐々に明け方にかけて明るくなっていくので自然に早起きになりました。

ひと筋ひと筋の線が美しく重なり合っているのもすべて計算されている。

ひと筋ひと筋の線が美しく重なり合っているのもすべて計算されている。

オフィス空間としても使い、寝室としても使うので、なるべく生活感を出さないように心がけています。パッケージや部屋の中に長く置きたくない箱や包装紙などはあまり持ち込まないんですね。ロゴが書いていない、色がないものを選ぶ傾向が在るかもしれません。さらに、ごてごてしていないものが好きですね。幼い頃からというよりは、この仕事を始めてからそういう趣向になったんだと思います。

—オンとオフの切り替えはどのようにされていますか?

あまり意識していないかもしれません。完全にオフにするときは外のテラスでビールを飲んだりしますが、もともと仕事もプライベートもひとつに続いているような日々を送っていますので、明確に今がオンでこの後がオフ、という具合に区切ったりしていません。この部屋のなかも、まるでそういう形にどちらの要素も混ざりあったいるなと思います。

玄関から入ると清潔感のあるフローリングの廊下が中まで続きそのままキッチンへ。

玄関から入ると清潔感のあるフローリングの廊下が中まで続きそのままキッチンへ。

—家で料理は作りますか?

自炊をしています。家ではビーガンなんです。朝から野菜ジュースを作って飲んだり、玄米を炊いて食べています。3年前に断食を体験して以来、からだにも良いし、気持ち良いので定期的に断食をしています。アレルギー系が軽くなったり、からだが軽くなるので、ふだんは家で菜食にするようにしています。

テラスを眺めながら仕事をすると、なんだか避暑地に来ているような気分にさえ。

テラスを眺めながら仕事をすると、なんだか避暑地に来ているような気分にさえ。

—テラスではどんな風に過ごされるんでしょうか?

室内とのつながりを感じられるので、とても広い一部屋だと思っています。何もしないで、ただ寝椅子にごろんと横になったり、近所の友人やいきつけのバーの仲良しのスタッフを呼んで、部屋で飲む事もあります。使い方は時と場合によりますが、部屋の中から「眺める」空間としても気に入っています。

小物やファブリックも、すべて調和し、心地よく共存しあっている。

小物やファブリックも、すべて調和し、心地よく共存しあっている。

—部屋を見渡すと小物類が多いようですが、プロダクトはお好きなのですか?

買う時は直感で買うことが多いですね。自分の好みがはっきりしているので、悩まずにすっと入ってきます。シンプルなものが好きで、柄が入っていないもの、色のないものをどうしても選んでしまいます。

本棚を低くしたのは、白壁を大きく残したかったからだそう。

本棚を低くしたのは、白壁を大きく残したかったからだそう。

—どうやら幅広くさまざまなジャンルの本や写真集が置いてあるようですね。

興味に従って買っているとすぐ物が増えてしまうので、本にしてもCDにしても資料性の高いものや本当に好きなもの以外は、データだけ残してばんばん売ったり捨てたりしています。
デザインの本もあれば、生物多様性の本も、そしてアイドルのDVDも。見事な混沌ぷり。

デザインの本もあれば、生物多様性の本も、そしてアイドルのDVDも。見事な混沌ぷり。

DVDは借りて観ます。かつてアイドルモノは好きだったのでそこそこ持っていますが(笑)。何が魅力なのかな?なぜ人気なのかな?という仕事の視点で気にしてみることもありますが、ただ単純にいいなと思って観ています(笑)。この部屋でも、プロジェクターで壁に映してみんなでお酒飲みながら観ますね。

さりげなくインテリアと同化する、名写真家や画家の作品があちこちに。

さりげなくインテリアと同化する、名写真家や画家の作品があちこちに。

—写真や絵は仕事関係でいただいたものなのですか?

あるギャラリーで決まった額装のまま購入しました。上田義彦さんの写真は、解像感と、青や緑の色の出方が好きなんです。その他には写真家 小山泰介くんの写真なんかも好きでかけています。どちらの作品も雰囲気は異なりますが、ともに「自然」を写し出しています。具象が写っているものより、イメージに響いてくる抽象的な作品を選ぶことが多いですね。

—このお部屋に移って変わったこと。

朝早く起きるようになりましたね。光がたくさん入ってきますので、早く目覚め、仕事の開始も早くその後ろも効率よく進められるようになりました。気持ちもゆとりがあって、抜けもよくて、気に入っています。

 9月遠藤邸

—これからの住まい方について教えてください。ゆくゆくは、やはり、自分の土地に根をおろしたいとか、軽やかに住み続けたい、などの想いはありますか?

 仕事柄、ビデオチャットでミーティングすることもあるし、海外にいる人もだいぶ増えて、コミュニケーションの方法も充実し、そういう暮らし方が既に増えています。今は、どこか一カ所に根を下ろすんではなく、いくつか拠点を設けて移動しながら暮らせるといいなと想像しています。

 — いまここである理由、遠藤さんを東京につなぎ止めている理由はなんですか?

友人と、仕事ですね。やはり私にとってはこの2つは大切な要素です。また、世田谷線という立地はほどよく都心の中心からは離れ、バランスよく暮らせるエリアじゃないかなと思っています。

ベッドとお風呂がガラスで仕切られている。まるでバスルーム、という絵の様でもある。

ベッドとお風呂がガラスで仕切られている。まるでバスルーム、という絵の様でもある。

毎日食べているのは、玄米。時間をかけてきちんと、炊く。

毎日食べているのは、玄米。時間をかけてきちんと、炊く。

スタイリッシュな空間、クリエイティブな仕事からはなかなか想像がつきませんが「どんなお料理を作るんですか?」と質問をしてみたところ、遠藤さんがおもむろに冷蔵庫から出してきたのは「玄米」でした。自分のコンディションを考えた時に、囲まれていたら落ち着く要素は何か?食も、家具も、DVDや本も、そして光やウッドデッキも。遠藤さんが日々そのことを丁寧に考えながら過ごしているのが、伝わってくるさまざまな要素に出会える時間になりました。(文:stillwater 玉置純子/写真:松園多聞)

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