Room No.0132015.01.05
2015 新年特別企画
R-STOREメンバーが1年間を振り返ります!
New year Special!Members will back on 2014!
新年特別企画!
R-STOREメンバーが一年間を振り返る2014年印象的だった物件をご紹介します!!
(編集部)みなさんのR-STOREでの勤続年数と、扱い物件数、役割をまず初めに教えてください。それから今回推薦する物件の説明をお願いします。
須井直子 Naoko Sui
(須井)私はR-STOREに勤めて約1年8ヶ月くらいです。営業メンバーのひとりです。扱っている物件数は380件くらいかな?今回選んだのは、神奈川県の三ツ沢下町という場所にある団地の一室です。「三ツ沢下町 これぞ、団地リノべ! 503」今年の4月にリノベーションした物件を私が見つけて取材に行った物件です。私の実家も団地なのですが、こんな風にリノベーションしたい!というか、自分が借りたい!と思ってしまうほどでした。横浜から市営地下鉄で一駅、60㎡で11万円。1LDKの物件です。築年40年くらいたっています。もとは3DKの間取りですが、広く使えるように改装してあります。良いなと思った点は、床材に古材を使っているところ。団地って壁を壊せない物件が多いのと、他の部屋の配管も壁の中を通っているため、水周りも間取りも変えづらいと言われているんですが、そこを上手にカバーして実現したリノベーションです。水周りは最小限しかできなかったのですが、お風呂なんかはタイル貼りの味のある感じは残しつつも浴槽だけ取り替えたり、部分的に味のある良いものは残しています。
(一同)照明が可愛い!
(須井)さらに、ここは5階なんですがとても風通しが良くて、周りの緑の眺めや鳥の鳴き声も聞こえる環境は抜群なんです。
(大野)団地って環境がいいのが特徴ですよね。
(編集部)団地の定義ってなんでしょうか?
(岸田)うーん、同じ建物が何棟も連なっていることと、市営や公営だったり運営が自治体である点かな。
(米満)団地ってすべて分譲なの?
(須井)全部ではなくて、現在は賃貸の部分はUR(※独立行政法人都市再生機構(Urban Renaissance Agency)は…大都市や地方中心都市における市街地の整備改善や賃貸住宅の供給支援、UR賃貸住宅(旧公団住宅)の管理を主な目的とした、国土交通省所管の独立行政法人のこと)が管理していて、分譲の物件は管理組合が管理をしているそうです。もともとは、団地って戦後の高度経済成長期に建てられているもので、家族向けに空間も敷地も余裕をもって建てられたものなので、周辺の環境がとてもいいんだと思います。棟と棟の間も余裕があるし。
(秦)何LDKっていう概念ができたのも、団地がはじまりと言われてますよね。
(須井)敷地のなかに必ず公園もあったり、地域の人たちのコミュニティ形成が目的の場所作りをしているんです。階段委員とか、掃除係とか…。
(一同)階段委員??
(須井)階段ごとに回覧板を回したり、催しごともチームで参加したり、階段ごとに委員がいて、統制をとっている仕組みがあるの。
(一同)へえ〜!
(米満)管理費はどういう仕組みになっているの?
(須井)分譲の場合は管理費を組合に払い、賃貸の場合はオーナーさんが管理組合費を別に支払っているの。
(大野)部屋の使い方はどうなっているの?
(須井)真ん中の引き戸がスライド扉になっていて、奥のベッドルームと手前のリビングルームを分けて使えるようになっています。壁に収納が備え付けになっている点も使い勝手が良い、魅力な点です。
(岸田)江東区にもたくさん団地がたくさんあるんだよね。これからはこういう需要が増えるかもしれませんね。
(秦)空室になる部屋もあるけれど、築年でだいぶ古いものもあるし、そのあたりのバランスが難しいですよね。
(樫村)現在は全体的に団地に住む人は高齢化してきていて、その分、空室も増えていくので無印良品なんかはURと組んで再開発のプロジェクトを進めたりしていますよね。新しい人を呼び込もうとするのが狙いだけれど、旧住民と若い人たちの住まい方の違いなんかが、課題になるかもと言われていますね。
岸田真樹 Masaki Kishida
(岸田)私はR-STOREに勤めて3年目、マネージャーです。これまで扱った物件は400物件くらいです。今日ご紹介するのは最近の練馬の物件「練馬▲401」です。
(編集部)まるで教会のような写真ですね。
(岸田)実はこれはロフトの写真なんです。僕は、R-STOREは間取り図や数字の情報のみでは伝えきれない物件の良さや空間のディティールをできる限り伝えたいと思っていつも物件を紹介しているんです。この物件はまさに間取り図などには現れてこない「(下見に)行かなきゃわからない」良さを紹介できた物件なんです。私たちはいつも膨大な物件データーベースの中から、掘りださなければ出会えない「なんか良さそう」な物件を探してご紹介しているのですが、この「なんか良さそう」にピンと来る方法は、理屈ではなく直感や経験が成し得ることなんです。
(編集部)それは何で判断するんですか?
(岸田)う〜ん、なんだろう、「なんか良さそう」なんだよな…。(笑)
(一同)(大笑)なにそれ!
(樫村)でも、わかる気がするな。「良さそう」という、説明のできない感じ!(笑)
(岸田)そうそう、それでこの練馬の物件は、そのデーターベースの写真のなかでロフトが少しだけ見切れて写っていたんです。で、「なんか良さそう」だな…と思って!
(編集部)みなさんが膨大なデータベースのなかから物件を選びとって紹介しているということでしょうか?
(樫村)専門の不動産データーベース・サイトがあって、そこから条件を絞って検索し「これは!?」と思う物件を探していくんです。写真が載っていたり間取りのみだったりデータの形はさまざまです。
(編集部)ちなみに、道を歩いていて「これは!?」に遭遇することもあるんですか?
(一同)あります!
(岸田)外観がすごく可愛かったり、人の住んでいる気配がなかったりすると、住所から検索してたどり着くことができます。この練馬の物件は、新宿や池袋、渋谷などの都市部へのアクセスが意外といい場所なんです。その割に、静かな住宅街で買い物なども物価が安いし、便利な環境です。個人的には練馬はおすすめエリアとして積極的に物件を探すようにしています。ここも23㎡で家賃が8万円弱のお得な内容なんです。ロフトは6畳ありますしね。
(米満)バスルームは3点ユニットだけどね…。
(秦)23㎡のなかで水周りが締めているスペースが少ないということは、空間の有効活用ができるし良いポイントでもあると思います。
(岸田)そのほか、南向きの窓のほかに台所にも窓があり、玄関の廊下側にも窓があるのでふんだんに採光できて、風が抜ける部屋なんです。4階なので眺望がとてもよいのもポイントだよね。
(樫村)天井が高いのが、解放感があって良いんだと思うな。
(米満)床がほんもののフローリングというところも嬉しいよね。
(編集部)やはりこの1年を振り返ってこの物件を挙げてこられたということは「掘り出しもの感」がポイントなのでしょうか?
(岸田)そうですね。ニーズも読めて、そこに物件を用意できたからこそ、内覧のあとにすぐに決まったんだと思います。問い合わせが4名あり、内覧にいらしたのが3名、そのうちお申し込みが2名だったので確率は高かったと思います。
大野咲紀 Saki Ono
(大野)R-STOREには5年目になります。この7月までは賃貸仲介の部門にいたのですが、9月から新規事業部に変わりました。来春からスタートするプロジェクトに関わっています。当時私が持っていた物件をすべて手放したので、今日はほかの担当者の物件をご紹介します。私が選んだのは「高島平 シンプル好きのためのリノベ6-906」です。樫村さんの担当している物件ですね。私も団地がもともと大好きなんです。立地の理があるというか、風通し、価格もすべてしっくりくるんです。この物件に関してはこのキッチンカウンターが特徴で、家具や機能が空間の使い方を示唆しているところがいいなと思いました。提案に意思があるというか。たぶんこの家にとって一番気持ちいい場所を考えた上でここにキッチンを作ったんじゃないかな?ダイニングテーブルってとても大事な要素だと思っていて、これだけの存在感があればむしろソファはいらないし、ここに集えばいいと思うんです。
(須井)意外と空間としては狭いんだね、46㎡だもんね。これでいくらですか?
(樫村)確か9万強だったかな、場所も高島平だし比較的手頃な価格です。
(岸田)これってほかの部屋も同じようなリノベーションをして貸し出していたの?
(樫村)確か、何フェーズかに分けて少しずつ売り出しているんだよね。これも無印良品とURの企画だったな。
(大野)部分的に昔の内装を残しているのがいいんです。ガラスの小窓や照明なんかは残して、相性の良い麦わらパネルや麻畳など、新しい材料を使ってマッチングさせている。
(樫村)無印良品が新しい素材を提案する、というコンセプトだったと思います。飾り棚の下には、無印良品が定番で扱っているステンレスの棚がすっぽり収まるように設計されているんです。耐震の器具もちゃんと設置できるようになっています。
樫村和哉 Kazuya Kashimura
(樫村)R-STOREには一年半くらいになります。僕も営業です。僕は茨城の日立市の出身で、周りは自然に囲まれた環境で育ったので、日当たり、緑、風など生活のなかに自然を取り入れられる物件をできるだけ探すようにしています。今回紹介したい物件は越谷市の蒲生という場所の物件です。「蒲生 みんなで楽しむ家(DIY可能)」これまで郊外の物件って扱ったことがあまりなかったのですが、はじめて取り組んでみました。現在19戸中4戸の成約をいただいています。ローカル物件はありだな、という手応えがつかめた物件です。物件は何棟かに分かれて建っています。敷地は広く、中庭があったり、小さな村のような作りになっています。物件はいろいろなタイプがあり、 部屋よっては壁にボードだけ貼ってあって後でペンキを塗れるようになっていたり、土間のように床が仕上げているだけの空間で、後々手が入れられるように初めからDIYが可能な部屋にしてあるなどの、工夫があるんです。
(一同)へ〜!すごい!空間も贅沢!
(樫村)全体のコンセプトのなかには、自分ひとりで仕事をしている職人さんやアーティストさんなどに入居してもらってアトリエや店舗として使ってもらいたい、というオーナーさんの思いもあります。
(一同)ストーブ!!素敵〜〜〜!
(樫村)みんな聞いてる?(苦笑)たまに入居者同士が集まって交流するようなイベントが行われたりするんですが、そういうスペースには薪ストーブがあったり、隣にはダンススタジオや絵を描いたりできるアトリエがあったり(なんと1時間1500円くらいで借りられる)自ずと交流が生まれる場所になっています。さらに地元の人にも解放されているのが素晴らしい点です。
(編集部)成約に至った方々は地元の方なんですか?
(樫村)それが、僕がすごく可能性を感じた部分なんですけれど、(成約された)全てのお客さまがそれまが都心に住んでいて、住み替えでこの蒲生に越してくるというパターンだったんです。現在都心に住んでいたんだけれどその家を売却して、郊外に住むという暮らしに切り替える方だったり。実際に、蒲生の駅がある東武伊勢崎線は、都内に通ずる半蔵門線・日比谷線に乗り入れているので、一時間ほどで、電車一本で都心まで通うことができるのです。
(一同)おお〜!
(樫村)都心に比べると賃料も安いし広さも十分ありますので、ゆとりのある生活ができると思います。お部屋はメゾネットタイプや広々したフラットタイプのものなど、いくつかタイプが選べる点も魅力です。自分は子どもがいるので難しいのですが、二人暮らしならば断然お勧めです。また駅から歩ける近さなのが、いいですね。たいてい地方や郊外にいくと、駅から15分とか車や自転車がないと距離があるケースの方が多いですからね。
米満ひとみ Hitomi Yonemitsu
(米満)R-STOREには、1年7ヶ月くらいになります。現在の持ち物件は400件くらい。私が今回おすすめするのは「武蔵小山の小民家(こみんか)」戸建ての物件です。戸建てが大好きで、目黒区の戸建てをいつも探しています(笑)。マンションは沢山あるんですが、なかなか戸建ては出ることが少ないのです。ご覧の通り、抜けの良い空間になっています。リビングのはじには3畳くらいの収納庫があったり、浴室を通らないとトイレに行かれない点などユニークで面白い作りなんです。
(須井)お風呂を通らないとトイレに行かれない!それはマイナスポイントでもあるよね。
(米満)確かに見にいらした皆さんは嫌そうでした(笑)。それに、洗面所が不自然な場所にあって、玄関を入ると目の前が洗面所なんです。これも驚く方がいらっしゃったり、あまり評判が良くないポイントでした。
(一同)あ〜。確かに。
(米満)キッチンは小さめだけれど、収納はたくさんあるの。良いところもあれば、いまひとつの部分もあるけれど、それでも戸建ての良さってあると思うんです。あ!でも、この物件せっかくの縁側なんだけど、網戸がないんですよね、残念ながら。
(編集部)断然オススメの部分はどこでしょう?
(米満)2階のバルコニーですね。日当たりがとってもよくて、縁側よりここで寛ぎたくなる人も多いかもしれません。洗濯ものを干すにも最適です。それから、価格もポイントです。65㎡の広さで14万5千円です。この物件はとても引きが良くてなんと内覧には8組くらいご案内したのです。ところが残念ながら一件も決まらなかった(苦笑)。
(岸田)決め手にかけた理由はなんだろう?
(米満)網戸だね。(一同、笑)どうやら、どうやっても新しい網戸が入れられない構造のようで、窓枠自体を取り替えないことには網戸がつけられない。
(岸田)キッチンに洗濯機とか、洗面台の位置、トイレまでの動線など、生活の上での些細な不便さってお客さまは良く見ているからね。
(編集部)難易度が高いけれど、愛着がわく物件という感じですかね?
(米満)冬もきっと寒いしね…(笑)、それでも家に手を入れる楽しみや、庭いじりの可能性など、こういう家ならではの、面白さがあると思うんです。自分で考えて住みたい人にとっては、クリエイティブな素材としてまたとない物件だと思います。戸建てを提案し続けたいという気持ちは変わらずに持ち続けてたいです。
(秦)戸建ては周辺の環境を求める人が探しに来られますよね。DIYを求めてきたんだど、最終的に決めきれないということはどこかに理由があるんですよね。私たちからのさまざまな具体的なDIY提案も今後は必要になるかもしれませんね。
秦美咲 Misaki Hata
(秦)R-STOREに来てちょうど1年が経ちました。物件数は300件くらいです。新宿御苑の真隣りにある秀和レジデンスというマンションです。「四谷三丁目(改装可能)小鳥のさえずる秀和」秀和レジデンスはご存知のかたも多いと思いますが、建物の色が白い壁に青い屋根、でおなじみです。けれど今回の物件は少し低層で壁が茶色い特別な仕様の秀和レジデンスなのです。これが、雪の日に取材をしに行ったら、とても素晴らしい借景だったんです。(写真をごらんください)
(一同)おお〜!
(秦)寒いのに窓を開けてしばらくぼーっとしてしまったくらい、美しい景色です。ただ、設備、内装がだいぶ古い物件でしたので改装可能で掲出していました。賃貸で改装できるというのはなかなか珍しいので、人気のある物件でしたね。
(米満)秀和レジデンスって共用部分も素敵だよね。
(秦)管理費が少々高い分、入り口や外壁、エントランスのタイルや、公共部分も可愛らしく仕上がっているのが魅力的な点です。
(須井)お値段はいくらくらい?
(秦)それが、新宿御苑の間隣なのにこのお部屋は結構安くて、12万くらいでした。
(一同)この立地でその値段は安いね。
(編集部)物件を見つけるにあたって、大切にしているポイントはどんなところですか?
(秦)私は常々、住まいはロケーションが大切だと考えていて、眺望や窓からの景色がとても重要なポイントです。隣の建物との立て込み間隔など、取材に行く前にグーグルマップで確認し立地なども確認しますね。
(編集部)さて全部で6件の物件がでましたが、みなさんの中でこれこそ「今年2014年のR-STOREらしい物件」をお選びください!
(一同)難しい〜、それぞれに良さがある〜!
さんざん考えこんだのち、ようやく結論が出たようです。
ジャーン!4票入って選ばれたのは、
樫村さんの「蒲生 みんなで楽しむ家(DIY可能)」
おめでとうございます。
(秦)やはり、建物だけでなくコミュニティ作りも含めて今年らしいなと感じました。
(岸田)まだ空いている物件もあるんだよね?これは嬉しいですね、みなさん、まだ空いているみたいですよ。
(須井)「みんなで楽しむ家」というタイトルがいいですよね、まさにそれを体現できる物件!
(樫村)そうなんですよ。僕はかつて、東武鉄道の沿線開発の仕事に携わっていたことがあるんですが、そのときに駅ビルや駅ナカの開発を見ていたんですね。いくらその施設が充実していっても、街やそこに住む人々はそうそう変化していかないなと思ったことを覚えています。けれど、今回いい家があれば人が移り住んできて繋がっていき、街が変化していくんだと実感したんです。オーナーさんは、地元の街中の不動産屋さんにも出しているけど、やはり暮らし方そのものに興味があると言う人は少ないんだそうです。そういう意味で僕らR-STOREができることはまだまだあるな、と思っています。
(大野)本当ですね!街が変わりはじめる、という実感がありますね。
(米満)来年には「郊外」カテゴリーを始めたいですね!
みなさん、年の瀬のお忙しいところ、ありがとうございました。元気いっぱいのR-STORE メンバーのみなさん、出てくる専門用語もどんどん解説してくださり、楽しく、勉強になる座談会となりました。みなさんに選ばれた「蒲生 みんなで楽しむ家」にもありましたが、部屋から家、家からコミュニティ、コミュニティから街を作っていくんだとしたら?ひとつひとつの物件には本当にたくさんの可能性があると思うのです。オーストリアの建築家であり芸術家のフンデルト・ヴァッサーという人の言葉に「人間には5つの皮膚がある。それは、1生まれながらの自分の皮膚 2自分の着る物 3自分の住んでいる家 4自分が属している共同体、地域、国 5自分を取り囲む自然の環境、宇宙」というものがあります。どんな風に住まうのか、というのは、体の一部であり、思考の一部なのかもしれませんね。お客さまのために少しでも魅力的で心地の良い物件を紹介できるようにこれからも、R-STOREは未来の「新しい住まいかた」を常に考えながら提案し続けてくれることでしょう。R-FRIENDS、本年もよろしくお願いいたします。(文・stillwater 玉置純子 写真・松園多聞)